新年から忍ぶ小話を

新年も2日になりましたが、あけましておめでとうございます。
今年もよろしくお願い致します。

新年から何ですが、或る創作小話を書いてみたいと思います。


今から十数年前の話です。

発展途上の作曲家を支えていたわたしは生活資金が足りなくなり、高収入を謳う求人欄を見て、ある都心マンション内の事務所に向かいました。
そこは、吹き溜まりのような場所で、賭け事に夢中の元役者や兼業の女優が所属していました。

バイトの仕事は顧客訪問です。
個人の可能な範囲に応じてでいいので、わたしや社員と兼業の男女は、障害のある方や、高齢者相手の些細な用向きや相談に乗ったりと、なかば福祉的な仕事でしたが、
兼業女優は、昔からの顧客が沢山いて、何やら怪しげな仕事をしていました。
その内容が何だったかは、不明です。
撮影の時期になると、彼女は関西方面に仕事だと断って、一定期間休んでました。


彼女は職場の女ボスと結託して、よく新入りや弱虫を苛めて楽しんでいました。
時々、一寸貸してくれない?と言って来て、わたしも1000円程度の小金を巻き上げられました。
(後で返してくれましたけど。)
人から軽く寸借するのは日常茶飯事だったようです。

ある日、仕事が終了してから遅い夕飯(あるいは早い朝食)にするため、バイト数名で事務所近くのコンビニに行きました。
「私、○○(女優の名前です)にぜったい負けたくないんだよねー」、と雑誌をめくりながらつぶやきました。
それに別段応えはしなかったけど、不意に彼女がどんな表情をしているか見たくなりました。
人気の途絶えた夜更けの店で、自然に彼女と目が合って笑い交わしました。
それがわたしが見たうちで最高の、とびきりの彼女の笑顔でした。

最近、ある映画のキャストの写真をみてはっとしました。
法螺話ではなく、実際に映画で役を演じていたようです。
でも事前の散々なユーザー評からその作品ではなく、シリーズ内でも評判のいい作品を見ました。
(彼女の素人演技を見たくなかったこともあるけど。)

あの彼女は今どうしているのかと、時々考えます。
相当な美人だったから、大成しないまでもきっと愛人か旦那を持って収まっているのでしょうね。
いずれにしろ、波乱万丈の生活が思い浮かびます。
それにしても、伝奇作家山田風太郎が忍者を例えて書くところの、"たそがれどきに舞う蝙蝠"を体現したくの一そのものの、女性でした。




↑彼女と話した思い出がある、くノ一映画(実は彼女は端役で出演者でした、ネタバレ)
更に言うと、後の『くノ一忍法帖 影の月』(監督氏の過去作品を手がけた知り合いの撮影監督が縁で知った映画)の元になった映画です(正確には違っていたら済みません)。









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ありがとうございます。
この小話そのままではないですが、やはり生活に困窮して夜間の仕事を兼業していた時期がありました。その結果就業時間が不規則になり、そのせいで脳疾患にかかってしまい、ハードな仕事が不可能になりました。
しかし昼間の仕事では出逢えないバラエティに富んだ方々と切磋琢磨したおかげか、現在でもその経験が非常に役に立っています。拙いながらも当時お世話になった御礼を述べたい気持ちを、上記の小話に込めました。




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こだわりの映像作品(DVD、劇場映画、TV)他についての感想と雑記です。

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